こんにちは、カサギです。

日本に緊急帰国してから2週間が経ちました。いやー、やはり日本はいいですね。
とりあえず今回帰国した最大の問題も解決し、今は次第に春らしく……ならない長野の冬にも慣れ(笑)、ゆっくりと日本を満喫しています。
しかし、帰ってきた当日はとてつもない寒波が日本を覆っており、成田エクスプレスを降りた新宿(6℃)で日本の寒さに驚愕し、特急お降りた松本駅(-8℃)で心が折れて、実家(-17℃)で泣きが入りました。朝起きたら部屋の中が 0℃って久しぶりですね。
うちの地元では、冷蔵庫は食材を冷やすためのものではなく、凍ってしまうのを防ぐために使ってるって友達に話したら、お前はシベリアから来たのか?といわれました。(あながち間違いではないw)
まあ、そんな生活も後1週間ほどなので、しっかり堪能して英気を養って、これからの就職活動を生き抜いていきたいと思います。

さて、一応ハリウッドを目指す者としてみなさんにお伝えしておかなければいけないことがあります。
それは、今年の華やかなアカデミー賞の裏側で起きていた Rhythm & Hues 社の倒産と、それを取り巻くハリウッドのVFX業界の話です。
自分はまだ一学生であり、ハリウッド現場を経験したことがないので、正直わからないことも多いのですが、それでも現場で働く多くのアーティストが今回の倒産のニュースを知って、このままではハリウッドのVFXが衰退してしまうと危機感を覚え、なんとか現状を改善しようと運動を開始しています。

今ハリウッドを始め世界のVFX業界は大きな変革期をむかえようとしているのだと思います。
仕事のアウトソーシングはもちろんのこと、各地での税制優勢策とその余波など、正直個人レベルでどうにかなるレベルを超えています。それに対して、残念ながら現在のハリウッドVFX業界は後手に回っていると思います。
ですが、今回のRythm & Hues 社の一件で、いよいよ本格的にこの問題を何としかしていこうという動きが見られるようになりました。自分もハリウッドを目指す者として、署名活動だったり、Facebook やこのブログなどを通して、多くの方にこの問題を知ってもらえればと考えています。
これから先、ハリウッドに限らず世界中のVFXスタジオが、きちんとし労働環境の下で、見る人を感動させるすばらしい映画を作っていけたらと思っています。

さて、話は変わって、今回は前回に引き続き OPT 関連の話をしていきたいと思います。
今回は前回の内容を踏まえて、ちょっと踏み込んだ内容になるので、できれば前回の記事にざっと目を通してから読むことをお勧めします。

前回までの話で、「OPT とは何なのか」、また「OPT を申請するのに必要な資格」についてまとめたのですが、今回はもっと具体的に「いつからOPT プログラムを始めたらいいか」という点に絞って解説していきたいと思います。
以下、例によって免責事項。

【免責事項】 この記事を参考にされる方へ
今回の記事はアメリカの大学でCGを学びたい方向けに、自分の体験を基に書いています。
他の国や大学・学科では、それぞれに手続きが異なります。ご注意ください。
また、自分はただの学生であり、留学エージェント(斡旋業者)でも、アメリカ移民局の職員でもありません。
情報はなるべく正しい物をお伝えしますが、全てを鵜呑みにするのではなく参考程度に留めて下さい。 また今後も、特にアメリカ移民法は改変される可能性が高いです。可能な限り自身でもお調べする事をお勧めします。
何か気になる事、間違い等ありましたら、コメント欄よりご連絡お願いします。

 

まず、なぜ自分がこれほど「OPT プログラムを始める時期」について気にしているかというと、実は
「OPT期間中、仕事探しに使える時間はかなり少ない
という理由があります。

まずは復習がてら、前回お見せしたこちらの資料を見てください。

各項目の詳細については、前回説明したのでここでは割愛します。

ここで注目してもらいたいのは 項目6項目4です。

まず、項目6を見てみましょう。注目するのは 以下の文章(多少省略してあります。詳細は前回参照)

4. OPTは学課修了日の60日以内に開始し14ヶ月以内に終了しなければいけない。
6. OPT は、学部卒業生・修士卒業生それぞれで最大で12ヶ月まで可能。

これだけみると、
「なーんだ、短い短い言っておきながら、12ヶ月以上OPT期間ってあるんじゃん。いくら何でも1年もあったら仕事みつかるでしょ?」
と思ってしまいますが、ここにOPT 最大の罠が潜んでいます

その罠というのが、実は…

「OPT 期間中の最初の3ヶ月以内に仕事を見つけられないと、強制的にOPT プログラムが終了させれる」

という、とんでもないルールが設定されているという点です。
OPT 終了 = 強制帰国です、厳しい…。

資料の詳細はご自身で読んでもらうとして、
これはつまり、先に述べた 12ヶ月というのは、あくまで「OPTプログラムで仕事ができる期間」であって、仕事が見つからなければさっさと国に帰らなければいけないという、なんとも厳しいルールが設定されているのです。

ですが、ここで1つ疑問が出てきます。
「はたして、3ヶ月という期間は仕事探しをするには短かすぎるのか?」ということです。
特に日本での就職活動を経験した方なら、応募開始から最終面接まで含めても3ヶ月もかかったというケースは稀だと思われます。(募集要項を探す時間は除く)

そんな日本での就職活動経験者が陥る罠がここにあります。
実は日本と違って、アメリカの企業は採用・不採用の通知が非常に遅い、もしくは返事すら来ないケースがあります。
さすが、自由(でいいかげん)の国アメリカw  頼むから返事くらいはください。

自分も日本で就職活動したことがあるので分かるのですが、日本の場合は、応募直後に受付完了の連絡が、そして募集終了後には、どんなに遅くても2~3週間で採用・不採用の通知がきます。

ですがアメリカの場合、たとえ採用の場合でもすぐに返事が来ることはまれで、以前ご紹介した鍋潤太郎さんの本や、ハリウッドでご活躍されている日本人アーティストの方々の話を聞くと、多くの場合1月近く、遅い方だと半年後とかもあるそうです。(さすがに半年も経つと、別の仕事してるでしょ!?といいたくなるのは自分だけ?)
そして、これはあくまで採用されている場合の話で、不採用の場合は返事すらこないらしいです。

このような状況で、仕事探しの時間がたった3ヶ月では、正直期間中に希望の会社から返事をもらうのは難しいという結論に達します。ましてや日本と違って、4月に新卒が入ってくるという習慣のない(と言うか、そもそも新卒の概念さえない)アメリカでは、どのタイミングで募集が開始されるかまったく予想がつきません。

くしくも、今アメリカのVFX業界には不況の風が吹きすさんでいます。
少しでも就職のタイミングが得られるならそれに越したことはありません。

さて、ここまでのお話で「仕事が見つからない場合、OPTの期間はかなり短くなる」ということと、「アメリカでの仕事探しの難しさが」が分かってもらえたかと思います。
では、次にどのようにしてこの「最初の3ヶ月問題」を解決していくかを、説明したいと思います。

 

まず結論から述べてしまうと、先ほど「OPT 期間中の最初の3ヶ月以内に…」と説明しましたが、実はこの3ヶ月を最大5ヶ月まで延長する方法があります
もちろん合法的にですよ(笑) ダメ、不法滞在!

ポイントは資料の項目4にある。

4. OPTは学課修了日の60日以内に開始し14ヶ月以内に終了しなければいけない。

という文章です。
つまり自分の言う延長方法とは、この60日の執行猶予期間を丸ごと「OPTの最初の3ヶ月」に加えてしまう方法です。

図を使って説明します。
まず、AAUの場合、今学期(2013春学期)の場合、学課修了日(全ての授業が終了する日(Program End date))は5月18日 になります。
そして先の項目を踏まえて考えると、これは「学課修了日の60日以内であれば好きなタイミングでOPTを始められる」ということです。

つまり、この60日の執行猶予ぎりぎりの7/17にOPTを開始すると、その間の2ヶ月間は学生でもなくOPTプログラム中でもないが、合法的に(グレーっぽいですがw)アメリカに滞在したまま仕事探しができるということになります。普通は「学校を卒業 = F-1 ビザが失効 = アメリカに滞在不可」ですから。

さらに、OPT開始後の3ヶ月までは仕事がない状態でも合法的にアメリカに滞在できるので、先の60日間の執行猶予を使えば、なんと最長5ヶ月まで仕事探しの期間が延ばせることになります。
具体的には以下の図のようになります。

まあ、OPT開始日をあまりギリギリにしすぎてもちょっと不安なので、3~5日ほど余裕を見ておくのもいいかと思います。

まとめると
「OPT開始までの執行猶予期間 60日をフルに使えば、3ヶ月しかないOPT期間中の仕事探しの期間を5ヶ月まで延長できる」
ということでした。

あ、あと執行猶予期間の60日が加われば、自動的にOPT期間も12ヶ月から14ヶ月まで延長されることになります。
まあ、実際のところ、OPTとして雇った学生を14ヶ月ギリギリまで使うケースは少ないらしく、その前に正規採用(…もしくはさようなら)になる場合がほとんどだそうなので、やはり「いかに早く仕事が見つけられるか」と、「どれだけ多くの時間を就職活動に使えるか」がポイントになってきそうです。

さて、ここまでみると、今回の「60日執行猶予延長法」はいいこと尽くめ(生活費とか滞在費は除く)のように見えますが、実はちょっとしたデメリットも隠されています。
というわけで次回はこのデメリットと、なんとさらにOPTを14ヶ月も伸ばす方法について説明したいと思います。(いったいどんだけOTPが好きなんだよ!というツッコミはなしで(笑))

それでは、また。

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Hirofumi Kasagi (カサギ)
Effects Artist / 3D Generalist

福島県立会津大学を卒業後、2010-13年 アメリカはカリフォルニア州サンフランシスコ市にある Academy of Art University にて Animation and Visual Effectsを専攻する。

在学中から積極的に学外での映画製作に協力。
ハリウッド映画「Beast of the Southern wild」の制作に学生と言う立場で参加。
同作品は2013年度のアカデミー賞にノミネートされる。

AAUを卒業後、カリフォルニア州オークランドにあるVFXスタジオ「Atomic Fiction」に勤務。
現在もハリウッドの最前線で活躍を続けている。

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(一部日本では未公開)


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