こんにちは、カサギです。
いやー、更新が遅くなってしまって申し訳ありません。
とりあえず Spring Show 提出は無事終わって、今はほんの少しだけ余裕のある生活が戻ってきました。
そう言えば、後輩からいよいよ日本でも Beasts of the Southern Wild が公開になったとの話を聞きました。
日本語では「ハッシュパピー バスタブ島の少女」というタイトルで公開になっています。
トレーラームービーにも日本語字幕が付いたので、まずはこちらをご覧ください。
ね、感動的な作品でしょう?(笑)
まさか、自分が参加している時は、こんなヒューマンドラマあふれる作品だとは露知らず、オーラックス(牛?)のショットばかり担当していたので、てっきりB級ホラー映画化と思っていましたが(実話)
ちなみに公式サイトはこちらです
http://www.bathtub-movie.jp/
東京の単館上映なのかな?と思っていたらどうやら全国ロードショーみたいなので、お近くの映画館で見かけた際はぜひお立ち寄りください。
さて、話は変わって。
今回は次回 SpringShow 2013 に向けて、今まさに出来上がったばかりの自分の作品をちょっと解説したいと思います。
冒頭にもお伝えしましたが、とりあえず締切には間に合いました。
今回は「とにかく時間がなかった」の一言に尽きます。
まあ、原因はいろいろあると思うのですが、やはりスケジュール管理ですかね。
締切の朝にやっとレンダリングが終わって、前の日に、縮小サイズで出力しておいた Sequence を仮Compしておいて、本番の朝に仕上がってきた Sequence と差し替えるという、かなり荒技に打って出ました。
…ホントに間に合って良かった(冷や汗)
去年は Matte Painting と Dynamics & Particle の2部門に応募して、Matte Painting は落選、Dynamics & Particle の方は見事Winner (優勝)という結果を残す事ができました。
(詳しくはこちら http://www.aizu.com/kasagi/?p=772#more-772)
ちなみに、今年は Matchmoving, MEL Scripting / Rigging, そして去年優勝した Dynamics & Particle の3部門に応募しています。
と言う訳で本邦初公開、今年の Spring Show 2013 にエントリーした作品を紹介したいと思います。
まずは Matchmoving
Cloudy with a Chance of Apples from Hirofumi Kasagi on Vimeo.
こちらは以前紹介した ANM 352 Matchmoving クラスのファイナルで作った作品を少しだけ直して提出しました。
ANM 352 Matchmoving クラスに関してはこちらで詳しく解説しています。
ANM&VFX クラス紹介 -ANM 352 Matchmoving 前編-
ANM&VFX クラス紹介 -ANM 352 Matchmoving 中編-
ANM&VFX クラス紹介 -ANM 352 Matchmoving 後編-
自分的な感触としては、おそらく入賞は堅いかと…。
と言うのも、この Matchmoving の部門って毎年恐ろしく応募数が少ないんですよね(苦笑)
Matchmoving 自体が、VFXの花形である Composition と比べて「かなり地味」というか、それ単体では正直あまり見せようがない部門だったりします。
地味レベルではおそらく Rotoscoping の次くらいかな?(汗)
現に自分の作品では Matchmoving + Dynmics (りんご) + Rotoscoping(手前の人のマスク) + Renderman(レンダリング) + Comp (編集) のコンビネーションで見せているので、厳密にMatchmoving だけの作品ではないです。
この辺の地味な技術は、他の技術と合わせて使う事で始めて真価を発揮するといったとこでしょうか?
続いて、今度は MEL Scripting / Rigging 部門に出した作品です。
ちなみに、こちらはさっきVimeo にあげたばっかりなので、文字通り本日初公開です。
TACHIKOMA Walker for Maya from Hirofumi Kasagi on Vimeo.
これは先学期に取った ANM 499 Advanced scripting クラスで作っていた物を、締め切り1週間前になって、いろいろと新しい機能を組み込んで無理矢理しあげたものになります。
…人間おしりに火がつけば、MEL だろうがPythonだろうが案外書けるものなんですね(笑)
Python ? MEL ってなに? と言う方に説明すると、両方とも Maya 上で使えるプログラミング言語(厳密には違うけど)です。
つまり、この言語を覚えれば Maya 用に自分でプラグインが作れるようになります。
それは、ウインドウを表示したり、Maya 内の一連の動作をまとめて実行するといった簡単なものから、レンダラー、Fluid Simulator、果ては最近日本人の方が作って公開されていた Houdini や Thinking Particle の様なノードベースの Particle system などなど、その可能性は無限大です。
ただ、もちろんこのあたりの技術は、美大のAAUではほんのさわり程度しか教えてくれないので、興味のある方は理工系の大学に進むか、またはご自分で勉強する必要があるかとおもいます。
この TACHIKOMA walker (笑)なのですが、もともとは自分の前の大学で卒論として書いたものを、新しく Python を使って Maya に移植した物になります。
当時はこんな凝ったGUI もなく、もっとシンプルなプラグインだったのですが、さすがに美大のコンテストに出すんだから「GUIや見た目は少しきれいにしないと…」ということで、かなり気合いを入れてデザインを考えてみました。
もちろん、コードもきれいにインデントしてありますし、変数に a とか hoge とかありませんよw …多少パスタ気味ですが。
前の学校では「見た目なんかどうでもいいから、ちゃんと動くこととと、いかに効率よく動くプログラム」なのかが重視されましたが、AAUでは「ソースコードの解説をしたところで、どうせだれも分からないんで、それよりも見た目の方が大事」って点がなんだか皮肉ですね。
さて、最後の Dynamics & Particle 部門用なのですが…、実はまだ完成品が手元に届いてないんですよね…。
今までの作品は、他の人にちょこっとヘルプを頼むことはあっても、基本的にモデリングからコンプまで自分ひとりで仕上げているので、スケジュールの予定が立てやすくクオリティのコントロールもしやすかったのですが(その割にギリギリだったようなw)、今回のDynamics&Particle は、Modeler, Rigger, Texture, Shader, Effects(自分), Composition とそれぞれが完全に別の人が担当しているので、どうも全体的にちぐはぐな感じに仕上がってしまったような気がしてなりません…。
一応最後の Compositor の方が責任を持って提出してくれたみたいなんですが、完成直前の画を見る限り、……んー、何とも言えない感じですね。
いまは手元に作品がないので、届き次第こちらにアップしたいと思います。
間に合えば次回の SpringShow 2013 の前に、間に合わなかったら当日までお楽しみと言う事で!
さて、いかがだったでしょうか。
…ちょっとボリュームがいつもに比べて少なかったような気もしますが、まあ、次回は豪華生放送3時間スペシャル(?)と言う事で、AAU生活最後の SpringShow の模様を余すところなくお伝えしたいと思います。
目指すは史上初の3部門優勝を目指す! と言う事で次回の結果発表をお楽しみにw
それでは、また。
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